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京極夏彦  作風レビュー

(2011.1.8 更新)

★★★★★
※ 私の人生観に一番影響を与えたかもしれない

著者名

京極夏彦

公式サイト

サイト名 大極宮 

代表的な著作リスト


「百鬼夜行シリーズ」
姑獲鳥の夏     既読 榎さんがまともだ…
魍魎の匣       既読
狂骨の夢       既読 唯一、爽快な終わり方。
鉄鼠の檻       既読  
絡新婦の理     既読 一番好き
塗仏の宴 宴の支度   連作短編集  既読 このへんから先は微妙…;
塗仏の宴 宴の始末   「宴の支度」の続き   既読 
陰摩羅鬼の瑕       既読 館もの 
邪魅の雫       既読 
 
百鬼夜行―陰    既読 「川赤子」の関口、わりと最低な亭主だ
  番外短編集。中禅寺登場せず。 
百器徒然袋―雨  榎木津スピンオフ  既読 中禅寺が爆笑してる! 
今昔続百鬼―雲  多々良&沼上スピンオフ  既読 ちらっと中禅寺登場♪ 
百器徒然袋―風   榎木津スピンオフ 第二弾 既読 中禅寺が動揺してる! 



「巷説百物語シリーズ」
巷説百物語   短編集   既読 必殺仕◎人? 
続巷説百物語   連作短編集   既読 ラストは泣きそうに… 
後巷説百物語   既読 若者四人、いらない; 
  連作短編集。明治、百介の晩年。メインは四人の若者。
前巷説百物語   連作短編集   既読 又さん、若っ! 
西巷説百物語   連作短編集。主役は林蔵   既読 無理矢理な感じ。食傷…

嗤う伊右衛門   又市登場   既読 …幻想ホラー?

覘き小平次   又市一味の治兵衛が登場   既読  

数えずの井戸   又市登場   既読 やっぱりあの連中がいる(笑) 



どすこい(仮)  既読 京極のギャグ作品には手を出すべきではない… 
 ノベルス『どすこい(安)』 文庫『どすこい』とほぼ同内容。ベストセラー小説のパロディ。  

南極(人)   小説・漫画のパロディ(ギャグ?)    

ルー=ガルー 忌避すべき狼   既読 キャラが漫画っぽいね
 「百鬼夜行シリーズ」の世界の延長にあることが分かる人には分かる SF…?

本朝妖怪盛衰録 豆腐小僧双六道中ふりだし    既読
  豆腐小僧、張り倒したくなるけど可愛い
 


「怪談シリーズ」
旧怪談 
 ふるいかいだん と読む。
   江戸時代に書かれた「耳袋」から、怪しい話を現代向けに書き改めたもの。
   
幽談 
冥談 


厭な小説 連作小説集   

死ねばいいのに 電子書籍版あり。iPadにダウンロードできる京極作品  


主な受賞歴

第49回日本推理作家協会賞長編部門『魍魎の匣』
第25回泉鏡花賞『嗤う伊右衛門』
第16回山本周五郎賞『覘き小平次』
第130回直木賞『後巷説百物語』

デビュー作

『姑獲鳥の夏』(1994年)

作風なぞかけ

「京極夏彦」 とかけて 「自称・陰陽師が披露する、宙に浮くニュートンのリンゴ」 と解く。
そのこころは?


「どんなに不思議に思えても、種も仕掛けもあるのです」

熟したリンゴがボトッと地に落ちます。
それを見たニュートンは、
「リンゴは地に落ちるのに、なぜ月は地に落ちないのか?」と疑問を抱いて、万有引力の存在に気づいたそうな。真偽はともかく、そういう言い伝え
近代科学の黎明期のことです。
この時代、まだまだ教会の権威は強かった。あのガリレオが異端審問にかけられたのはニュートンが生まれるわずか数十年前のこと。
しかし、「近代物理学の祖」と称えられるニュートンは、熱心な宗教家でもあり、錬金術師でもありました。そのため、「最後の魔術師」「神学者」の異名をもとります。
神を肯定しながら、同時に身の回りの現象を科学的に解き明かす。
ニュートンはそのような人でした。

さて、ところ変わって、ついでに時代も変わって。
え? 此処はどこで今はいつだって?
さーあてね。あなたの知らない過去の時代
ここは、いかがわしい見世物小屋でございます。
古今東西の化け物を取りそろえてございます。
ただいまの出し物は手品ですよ、旦那!

「どうもどうも。陰陽師でございます。本物ですよ。ほら、このとおりー!」

何とも時代錯誤な職業を名乗った和服の男が大掛かりなイリュージョンを披露。
お、シルクハットならぬ番傘から、ハトならぬスネコスリを取り出していますね。全体的に化け物臭(?)が漂っていて和風
たしかに素晴らしいインパクト
見応えがあります
ま、手品ですから、種を仕掛けも満載なのですがね。
そこを不思議魔術にみせるのが商売でございます。
観客の大半は騙されます

お? 今度はリンゴを取り出しました。
何を言うかと思えば、

「これは、かのニュートンのリンゴ! ところが、こいつは落ちません! 重力に逆らって浮くのです!」

おおー、リンゴの空中浮遊…。
ニュートン云々というのは、眉唾ものですが、すごい。どうなってるのでしょうねえ。考えてもわかりません
しっかし、饒舌な陰陽師ですな。彼の荒唐無稽牽強付会なトークを聞いていると、うっかり信じてしまいそうになります。

大衆向けの見世物小屋ですから、演出はときどきエログロナンセンス…。
しかし、そうと悟らせない一流のエンターテイメント!! この男、なぜか何をしていても何をしゃべっていても、それなりに上品頭が良さそうに見えるのでございますよ。
そのために、うっかり大学の講義と錯覚している観客もいるようです。
いやいやいや!
ここは、いかがわしい見世物小屋! あれは、うさんくさい自称・陰陽師ですから!
あのおしゃべりを鵜呑みにするのはどうかと思いますよ

さて、この陰陽師、最後の最後に盛大な種明かしをします。
これこそ、舞台のハイライト!

薄暗く不気味オカルティックな魔術が、あっという間に当たり前の現象に解体されます。
…はじめに人生観変わるような手の込んだ騙し方をしておいて…;

遠大衒学的疲れますが、面白いショーであることだけは間違いなし。

 京極夏彦の本を読むときの5W1H

When いつ

精神状態が安定しているとき かつ 体力が充実しているときに読みましょう。

精神状態が非っ常~に不安定な語り手が約1名いますからね。
こいつに引きずられて、あちら側へ逝きたくないでしょう?

それに、ものすっごーく話の長い男が約1名いますからね。
こいつの口上につきあうには、時間と体力が必要です。
途中で力尽きて逝ってしまわないようにお気をつけて。

心身ともにリラックスしている休日にどうぞーv
丸一日、不可解で不気味な事件と化け物話に潰される覚悟で読み始めてくださいv

Where どこで

自分の家でしか読めないでしょうよ。

この、「サイコロ」だの「レンガ」だの「弁当箱」だのと揶揄される分厚い本をどうやって持ち歩けと?
ノベルスとか文庫とかって、本来持ち歩きやすいはずなのに。
文庫にすると物凄いになってるよ…。何、この分厚い背表紙。ギャグ?ギャグなのか?という感じ。

ま、分冊文庫版が出ているシリーズもありますがね。
ファンなら、まずノベルスで買うでしょうし…。
ものすごく熱烈なファンでない限り分冊文庫版にまで手を出さないでしょうし…。

というわけで、自宅で読むのがスタンダードでしょう。

ん? 図書館?
やめておいた方がいいですよー。
良いところで、
「もうすぐ閉館します。お借りになる方はカウンターまで」
と館内放送が入ることでしょう。
ずっしりと重い本を片手に、「…ここまで読んだのに、あと数十ページのためにコレを借りて帰るのか(遠い目)」となること確実。
一日で一作読み切るつもりなら、速読法でも身につけていくことです。

Who だれが

TV番組の心霊特番や超能力捜査がお好きな中高生にオススメ。

人生観、変わるかもしれませんよv
これまでの人生観、世界観、信念を捨ててしまうほど、上手に騙してくれます。
大人が読むと鼻につくペダンティックな蘊蓄も、中高生時代に読めば「深い!すごい!」と素直に嵌れることでしょう。
ちょっと読みこなすのが難しいかもしれませんが、大丈夫。わけのわからん蘊蓄は流し読みしても大筋には影響なし。
これを読めば、活字を読んだ!と胸を張って言えます。達成感があります。読書が楽しくなります。


心霊写真だのUFOだのという話題に馬鹿馬鹿しさと嫌悪感を持っているけれども、その理由をうまく説明できないという方にもオススメ。言いたいことを京極作品が言葉にしてくれている!と気持ちが良くなるかも。 (管理人はこのパターンでした)

化け物が怖くて怖くて…という方にもオススメ。
たいして怖くなくなるかもしれません。


ただし、中高生の皆さんに一つご忠告。

京極作品の内容を 信じるな。鵜呑みにするな。

ええ、そうですね、言いたいことは分かります。思わず、「京極作品に書いてあるなら間違いないよね」と思ってしまう作風ですよね。なんかこう、民俗学の論文を小説にしたような…?
でも、それは論文じゃなくて、ある意味タブロイドですから!史実に、楽しい嘘八百を織り交ぜて荒唐無稽な娯楽小説に仕立てているのが京極作品。
まれに、タブロイドに書いてあることを「新聞に書いてあるなら事実だよね」と勘違いする方もいらっしゃいますが…。
あのですね、タブロイドを手にする人は、騙されたくて買うんですよ。騙されるのが気持ちよくて読むんですよっ!

いえ、京極作品に間違ったことが書いてあると言っているわけではありません。
ただ、小説はあくまで小説。創作はあくまで創作。
民俗学や宗教学のとっかかりにはいいかもしれませんが、本気でお勉強したいなら、新書や学術書や研究論文を読みましょう。

What 何を

京極夏彦らしいオススメ作品は
  『姑獲鳥の夏』(「百鬼夜行シリーズ」第1弾)

詳細は、『姑獲鳥の夏』 作品レビュー参照。

最初の長ったらしい蘊蓄に負けずに読んでみてください!
理系の人は、寛大な心であまり深く考えずに読んでみてください!
文系の人は、鵜呑みにせずに話半分に読んでみてください!
…めげずに、最後まで読んでくださいね。

Why なぜ

京極堂主人、中禅寺秋彦に惚れているから。

思いっきりキャラ萌えしています。
なぜ、可愛い女の子も若い男も影が薄い、三十男の集団が出ばっている小説でキャラ萌えしているのか、自分……(― ―;)
と思いつつも、『塗仏の宴』以降は、もはや「百鬼夜行シリーズ」に、キャラクタ小説以上のものは求めていません。
彼が出てきてくれるだけで良い。
だから…だから…早く彼に逢わせてくれ~!!

…えー、ゴホンケホン、失礼しました。

真面目に答えると、自分の価値観や既成概念がガタガタと崩されていく衝撃と、新たな人生観、世界観が着々と再構築されていく興奮が味わえるから。

なんだか超一流の詐欺にあっている気分です。
たとえ詐欺でも、ここまでくると芸術だ!

How どのように

どの版を選びます?

コアなファンは全部の版を買うらしいですよ。

例えば「百鬼夜行シリーズ」なら、
 最初に手に入るノベルス版、
 妖怪模型のカバー写真が印象的な文庫版、
 持ち運びしやすい分冊文庫版、
 全冊そろえたくなるハードカバーの愛蔵版
と、四種類。

何しろ、視覚的に美しい文字のレイアウトにまでこだわるために、版を変えるごとに文章も微妙に変わっているものですから。
強者になると各版ごとに、「読書用」「保存用」「布教用」を購入するのだとか;

かように、熱烈なファンが多い京極作品。
「へー、そんなに面白いの? 読んでみよう」という、これから嵌るつもりの方、覚悟はよろしいですか?

待たされますよ。

公式サイトを見る限り、作者様の仕事量は非常に多いようですが…。 (何の仕事してんのさ…;)
…………どうしても京極作品の新作が読みたいなら、「怪」だの、「小説すばる」だの、「小説現代」だの、「中央公論」だの、「オール読物」だのの雑誌や、「数えずの井戸」が掲載されている新聞を買うしかないですね。
雑誌購入の際は、目次を確認することを忘れずに!
不定期連載ですから、載っていない可能性大ですよ!


作風は、上記でさんざん説明したとおりなのですが、例外もあるということをお忘れなく。
「百鬼夜行シリーズ」や「巷説百物語シリーズ」のファンだと言う方は、
『どすこい』や『南極(人)』などのギャグ作品を受け入れられるかどうかは賭けですな。


巷説百物語 (角川文庫)巷説百物語 (角川文庫)
(2003/06)
京極 夏彦

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『姑獲鳥の夏』をオススメしといてなんだけど、一番始めに読むならコレ↑が一番読みやすい。


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テーマ : 読書に役立つ情報
ジャンル : 本・雑誌

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