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なるしまゆり『鉄壱智 6』 (いきなり6巻から)作品レビュー

(2009.11.11 更新)

「鉄壱智 6」   漫画「鉄壱智シリーズ」第6巻

★★★★

ストーリー 評価不能  少ーしずつ進んでるけど…評価するには謎すぎる
キャラクタ  ★★★★★  新キャラ! 百合子ちゃん最高!
世界観   ★★★★★ あの「耳」設定は面白い。 科学的だね
     ★★★  百合子ちゃん可愛い
感動     ★★★★★
  百合子ちゃんの台詞に胸を打たれます

書誌情報

なるしまゆり『鉄壱智 6』、初版、一迅社、2009
ISBN978-4-7580-5451-5

目次

目次
 鉄壱智……3


以上。
ま、漫画だし、こんなもんですよね。
目次ページは鉄壱智のイラストでした。栗のイガイガがぱっくり割れた中にジト目の鉄が…。おまえは いや、栗太郎か!?



装幀 

装幀   星野いづみ    

6巻の鉄壱智は赤が基調。
カバーイラストが可愛い!! って、誰? 見たことないよ、新キャラ? と本屋さんで興奮してしまいましたよ。 だって赤い振り袖の美人さんに獣の耳が生えてるんですよ。そして、その子に後ろから抱きつく色男が挑発的な目でこちらを見ている。目が合ってしまったら買うっきゃありません。


ストーリー

うーむ。
5巻があの終わり方だったわりには「虹蛇」の謎も「不滅城」の謎も「朔ら彦の両親」の謎も解けずに進みます。例によって例のごとく、謎が謎を呼ぶ展開に。

小さい昴を一行に加えて、鉄たちは不滅城を出ます。
で、蝶子たちと合流。
都に侵入する策を練りますが、どうにも手詰まり。

彼らが悩んでいるころ、火鉄山の夜長彦のもとにもちょっとした異変が…。

それはともかく、新章「都行くぞ編」が始まります。
どうやって都に行こうかな~。
どうやら都に「人獣」っていう獣を奴隷として売る大商隊が通るらしいよ。
じゃあ、その「人獣」、見に行こう!
そうして鉄たちが出会ったのは…。

神か。人か。獣か。

鉄壱智 第六巻です。

ネタバレ感想

ネタバレ警報発令中


百合子ちゃん、かわいいよ百合子ちゃん

「鉄壱智 6」は、この一言につきます。


不滅城のあたりは謎すぎて、今の時点では深く考えたくない; (考えてもわからんわいっ)
ちび昴がさりげなく爆弾発言してましたがね。
不滅城って時の流れがおかしいのかも?
なるり(なるしまゆり(敬称略)をこう略します)作品によく見受けられる“止まった時の流れ(それとも循環?)”というテーマがここにも…?
…分からんっ。やっぱりここらへんには突っ込まないことにしよう。

とにかく、ちび昴を連れて都へ行けという指令が朔ら彦に下ったらしい。
事情説明一切なしで。
泣いちゃったよ、朔らちゃん…可哀相に。
そういう結構ヘタレなとこが可愛い。
しかし、今までずーっと不滅城に閉じ込められてて世間知らずで身を守る手段もないちび昴は潔く腹をくくってるのに、朔ら彦よ、オマエもうちょっとしっかりせんかいと言いたくなる。
ちび昴、やっぱり賢くて格好いいお姫様だわ。なるり作品はどれも女の子キャラに好感がもててよい。

そのころ鉄は、朔ら彦のお父ちゃんから何やら不穏なことを言われてますが…
………おいおい、お父ちゃん、それどゆこと??? 
不滅城のあんたら、これ以上ややこしい謎を増やさんでくれ;;
頭が破裂したらどうしてくれる。

やっぱりそのころ、ちらっと数ページ登場して夜長彦にちょっかいかけてるかわいい系のお兄さんもいますが…
誰? と思ったら、どうやら、こいつも不滅城関係者らしいな; 粉屋か? 粉屋なのか!? 考えるのやめよう。うん。

次いこう。
「都行くぞ編」はじまりはじまりー。
都に売られる「人獣」の大集団に混じっちゃおうぜ!という作戦です。
実物の人獣を、ちび昴や鉄みたいな好奇心旺盛な子らは、目をきらきらさせて見たがってます。
河シャっちは見たことあるみたいですが、見たことなかったら見たがったんじゃないかなあ? 今回、学者らしいとこを見せましたからね。さすがに元天才少年。探求心あるやつだ。

で、「人獣」とその「飼い主」に、ご対面~。
「人獣」の名前は百合子ちゃん。「飼い主」は禎厚って名の豪農の若様。「獣惑い」という病(獣に惚れる病)にかかってるらしいよ、この「飼い主」の若様。
…いやいやいや!
惚れるの無理ないですから!!
めちゃくちゃ可愛いじゃないの、百合子ちゃん!
月を背に、神官の着る水干みたいな着物で、大きな猫耳みたいな「耳」をピンとたてている百合子ちゃん。眼差しが綺麗です。神秘的な美少女ですよ。

つか、これ人間だろ!と、一読者の私も思いましたよ…。

百合子ちゃんの身の上話を聞いてみたら、案の定………
酷すぎて泣けてくる;; 百合子ちゃん、人間なのに人間なのにっ!!
でも虐げられた人間はときどき強いね。
このあたり、否応なく感動させられます。
朔ら彦が気圧されてましたが、私も百合子ちゃんの迫力に圧倒されました
百合子ちゃん、ほんとは小っちゃくて可愛いもの好きの女の子なんだけどv
ちび昴と気が合いそう。
え? もう一人の新キャラはどうしたって? ああ、禎厚もいいキャラなんだけど、百合子ちゃんが素晴らしすぎたから印象に残らなかったわ(笑)

それにしても、やっぱり元凶は「都」か。
いい加減分かってきたけど、ほんとうにろくなことしないな「都」
うーん?
なるり作品で、ここまで憎みやすい単純な悪役って今までにいなかったような?
「都」=「統治者(らしい)二位って人」と思っていましたが、そういえば「都」ってなんだ?
「都」の思惑は今のところさっぱりです。謎が解けることを7巻に期待します。

さて、6巻をあらかた読み終えたあたりで、「鉄壱智」という漫画は、差別や偏見や抑圧や抵抗や異質なものとの共存や戦いを描きたいのかなーと、今回なんとなく思いました。遅いですか? 遅いですね…。
思えば1巻から、思わせぶりに登場していた「字」や「神違え」や「辺境の戦」
これって差別の話…何でしょうか?
どうも、いい字がないと神域で弾かれるというような、「物理的(身体的)な差異」が気になるのですが。単に、差別だっ!って話でもないような…。

ところで、「都」に見下されて虐げられて苦しんできたはずの地図なき民が、よく知りもしないで、「獣に惚れるなんて変態」とか言っちゃってるのには苦笑。


さて、締めくくりはこの言葉で。
百合子ちゃん、格好いいよ百合子ちゃん!


帯にしたいフレーズ

百合子ちゃんの台詞

「馬鹿だなんて、言わないで」
「人に非ずと判を押されても、生きるんだ」

これだけ抜き出しても伝わりにくいか;
でも、あいかわらず、なるり作品は台詞のセンスがいい!
モノローグも印象的なところが多いです。

上は、百合子ちゃんの身の上話中、「(獣の耳つけろなんて口車に乗るって)馬鹿じゃないか?」と口をすべらした朔ら彦を叩き伏せた百合子ちゃんの台詞です。
百合子ちゃんのお母さん、あれは娘を生き延びさせるための身を切られるような決断だったはず。娘が怖がらないように笑いかけてくれたというあたりで、涙がこぼれそうになりました。それを馬鹿なんて言われたら、そりゃあね…。

百合子ちゃんの故郷を襲った飢饉や身売りっていうのは、実はありふれた不幸なんですよね。

でも、そこにつけこんで人間の子どもを実験台にすること…
人間を人間扱いしないこと…
過酷な差別…
そのへんがなんともいえない陰湿でおぞましいものを読み手に感じさせるんでしょう。


ちなみに、実際の帯は黒。
赤い表紙によく映えます。
「神か人か、“人獣”との出会い-。」
これが帯の煽り文句でした。


キャラクタ 愛してるキャラだけ紹介します。

◆ 百合子 

「人獣」と呼ばれてます。
獣の耳(らしきもの)くっつけてます。
美少女です。
まめで、裁縫上手で、もともといいとこのお嬢さんで、優しくて、勇敢で、意志が強い。
すごく、可愛い子で、すごくいい女です。

登場作品

『鉄壱智 6』 初登場!

似合うは?

テッポウユリ 
花言葉は、
「威厳」
「純潔」
「無垢」
「荘厳」

ユリにもいろいろありますが、テッポウユリは純白で筒状の凜とした花をさかせます。
真っ白なトランペットが華やかに裂けたような感じ。

百合子ちゃんだから、ユリ。
単なる洒落じゃありません…;

気の強い百合子ちゃんが静かに激したときの威厳ときたらただ事じゃないですからね。

荘厳な感じがするくらい、神秘的な美少女ですし。

色男で斜に構えたところのある禎厚と恋人同士にしちゃあ、純粋無垢というか、清廉潔白というか、潔癖というか…。
俗世から離れたような雰囲気を漂わせた子です。
実際は、凄絶な経験をしてきた子なんですが、浮世離れした美貌なので、生々しい匂いを感じさせない。
百合子ちゃんは、初対面の鉄に逃げるように助言したり、朔ら彦が可哀相だと協力を約束したり、禎厚の将来を心敗したりするくらい…もう、ものすごく優しくてきれいな心の持ち主なんですから!
何者も彼女の心を汚すことはできないと信じています。

ちなみにテッポウユリは冬の花。寒くなってきた頃に、負けるもんかというように咲き始めます。

すらりと美しく、ユリの中でも清楚な姿をしていますが、匂いはけっこうきつい

そんなテッポウユリを百合子ちゃんに捧げます。


イメージカラーは?

月光の冷たく澄んだ色。
ムーンライト・ブルー

月明かりの下で鉄を見る澄んだ眼差しが印象的すぎました。

名(迷?)台詞

「あの桃色の人が可哀想な人な気がして…」

すげぇ…;

若いのに、あの朔ら彦の本質をあっさりと見透かしてますよ、百合子ちゃん。
確かにね、自分で自分を可哀想だと思っているところもある朔ら彦です。
百合子ちゃんの「可哀想」という言葉は朔ら彦の何に向けられているのでしょうか。
がんばって責務を果たそうとしている朔ら彦の無理を見てとったのか、故郷の誰からも特別扱いされる朔ら彦の孤独を見てとったのか、それとも?
朔ら彦本人は、自分を「閉じて縮んでいる」「自分の欲望」がない…と思っているようです。
果たして、百合子ちゃんはそこまで見透かしているのか?

百合子ちゃんと朔ら彦一行のこれからが見逃せません。

その他のキャラクタについてはまた後ほど…。 
今回はちび昴もよかったです! 前巻の天然なお嬢という印象が薄くなって、聡明で思慮深くて思い切りのいい、さらに有能な少女であることを知らしめてくれました。



豆知識 

海星 
ヒトデです。「海の星」と書けばキレイなイメージだけど、けっこう気色悪いです。触手とかあってグロい。
体の一部が切れても再生するそうな…。
ときには自主的に体を切断して増殖するそうな…。
茸 
キノコって、わりと正体不明な生き物です。
カビみたいだったり細菌みたいだったり姿形は千差万別。
大方のキノコは菌類で、胞子を飛ばして増殖するためのもの。
ちなみに鉄と蝶子ちゃんが「なんかキノコにこういうのある」と言っているのは、虫とか幼虫とかに寄生して増えるキノコがあるからだと思われます。
寄生木 
ご存じの通り、ヤドリギというのは他の木の幹だの枝だのに根を下ろして寄生して生きる植物のことです。
「ヤドリギの神性」(朔ら彦の台詞)と言われても、日本人にはちょっと馴染みがないですが、北欧神話やケルト神話あたりでは、神聖視されているようです。
一説によると、大地に根を下ろさないこと、冬でも枯れずに緑を保っていること、薬効があることなどがその理由だとか。
それから『金枝篇』って聞いたことあります? 呪術や神話の研究書なんですが、金枝とはヤドリギのことです。この本は、ヤドリギ信仰について触れています。ヤドリギは聖なる樹だったということですね。

参考図書

『鉄壱智 6』  書誌情報は上記と同じなので省略

参考サイト

Wikipedia、2009.11.11   豆知識に活用させてもらいましたー。


鉄壱智 6 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)鉄壱智 6 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
(2009/10/24)
なるしま ゆり

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